終わりのない夜道をいくら歩いても凍えなくって済む季節になった。そっちがその気ならお望みのままに。歩くリズムで文章を少し。
新しい映画とか小説とかマンガとか、ちっとも見れない日々が続いている。見てもきっと、その作品自体が好きなのか、それとも「センスの良いこの作品を、こんなふうに評することのできる自分」が好きなのか、分からんなと思うから。
本能を抑圧しすぎた。んで意味とロジックにまみれすぎた。
いま僕は、プルシットジョブというものに感謝さえしている。意味があることばかりをやり続けられるようには、人間の(少なくとも僕の)身体はできちゃいない。
じゃあ意味ないことばっかりやればいいだろと、口で言うのは簡単。けれど、意味のあるなしの判断基準というのは、なんというか、一朝一夕で築かれたロジックではない。もっと動物的な感覚の話だ。だからチューニングには時間がかかる。
だからしばらくはしんどいんだろう。絶望から醒めるのだって一瞬で、また朝が来れば灼け跡だけが残るだろう。
せめて世界の果てで格好つけて朽ちずに済むような、格好つかない花道を敷けたらねえ。
夜風がわずかに冷えてきた。道にも終わりはあるみたいだ。