TweetとNoteのあいだ

日記の亜種

呼吸の断片

したたかに、なんてやれる筈もない。勝ちを見据えて駒を動かそうとは見当もつかない。だから駄目なのだとお思いだろう。が、所詮あと数十年ほどの花の生涯、そうまでする価値を見出せようか。世渡りは皆目わからず仕舞い、そんなこんなで幕を引ければ万々歳。鼻で笑うほどの気概も無し。

 

文学だ詩情だ挙句に教養だと五月蠅いばかりの耽美気取りに、加えるはスプーンひとすくいのロマンティックな勇み足。古木の香りに惰眠を貪る高飛車無頼の一丁上がり。黒焦げた白米。とんだ慰み者。いけすかない。我が身を顧みればなおさら憎い。スプーンひとすくいどころか庭一面、切り刻んだ幻影を敷き詰めていりゃあ当然こうなる。

 

たっぷり四半世紀分の夜を纏い、隣に座ったその女はしたたかな女に違いない。今や彼我の差は語るべくもなし。蝶に喩えるはあまりに陳腐、鳥に喩えれば色味に迷う。横顔で物語ると嘯いたのは、探した言い訳の内ただひとつ。水滴が落ちるたびに言葉を紡ぐ。そうこうするうち朝になる。