蝉の鳴く声はまだ聞こえぬほどの初夏の昼下がり。近所の川沿いのベンチに座る。ちょっとばかり虫に刺されたり、日の光が肌を焦がしたり、そういうことが気にならないくらいに静寂の音を聴く。ずっとずっと求めていた。漂流者にも故郷喪失者にもなれずに、し…
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